[シリーズ投稿・盛岡だより(その1)]


 冬の思い出 〜雪と銭湯帰り〜     照井 武彦
 

盛岡の冬は、雪が少なくただただ寒いのが特徴です。たまに積雪もありますが、今年の場合、正月三が日の次が一月末近くという具合に、あまり頻繁ではありません。その代わり、降った雪はなかなか融けません。雪が積もった直後はむしろ暖かく感じます。そこが南関東と違うところかなと考えたりします。真冬の雪は乾燥しています。豪雪地帯のような湿雪ではありません。
 今まさに真冬(2月のはじめ)ですが、朝の最低気温がマイナス7度(平年)ぐらいです。寒い朝はマイナス10〜11度、これが3日以上つづくこともあります。水道は毎朝凍る危険があります。電熱などの対策がない家屋では、水を落とさなければなりません。

 わが家の前の通りは、現在自動車が頻繁に走り、除雪車が来て車道の雪はなくなりますが、その雪は人が歩くところに寄せられるので、歩きにくく大変です。昔話になりますが、子供の頃は道路一面の圧雪状態で、その上を雪下駄で歩いたものでした。雪下駄を文章で説明するのはむずかしいですが、下駄の歯は、歯車の歯のように先が細く、雪を踏んでも抜けやすく、下には先の尖った鋲が打ちつけられ、つま先にはスリッパのようなカバー(これを「つまかわ」と言います)がついていました。わかって頂けますか?

 さて、家から100メートルぐいらいの距離に銭湯がありました。日が暮れてから銭湯に行き、その帰り、圧雪は堅く凍って雪下駄で歩くとコリコリ言います。よい気分で家まで来ると、下げてきたタオルが凍っていて逆立ちができます。でも、湯上がりで寒さは感じませんでした。
 銭湯もなくなりましたし、夜に出歩くことも今はなくて再現は不可能なだけに、なつかしく思い出します。


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