道路標識 黒木 靖生
私が勤務先に通うバスの通る道に、「春日橋交差点」があります。JR大森駅の前を通る「池上通り」と「環状七号線(環七通り)」が交差するところです。この交差点の道路標識は、日本語表示では「春日橋」となっていますが、(漢字の読めない)外国人向けの表示では「Kasuga−Bridge」となっていて、私はこの標識を見る度にいつも違和感を抱いていました。というのは、「春日橋」は「地名」であって「橋の名前」ではないからです。「春日橋」という地名は、昔そこに「春日橋」という橋があったから付けられたかも知れませんが、現在は橋はありません(「環七」が池上通りをまたぐ「陸橋」はありますが)。そのため、この道路標識は「Kasugabashi」と表示するのが正しいと思います。「春日橋」に住んでいる人は、自分の住所を外国人向けに書くときは「Kasugabashi」と書くでしょうし、外国人が車を運転したり(あるいは歩いたり)して「春日橋」の地点を探すときは「Kasugabashi」という名前で探すでしょう。
いっぽう、この交差点の道路標識は「Ikegami−Dori」、「Kan−nana−Dori」となっていて、さっきの「Kasuga−Bridge」とは好対照を見せています。「通り」の名前は、外国人向けには、「Ikegami−Dori−Ave.」などと後に「通り」であることを明示する「Ave.あるいはBlvd.」を付けるのが普通だからです。
このように表示がおかしいので、私は、仕事で出張したりプライベートで旅行した時などに、道路標識を注意して見る習慣が身についてしまいました。先日も、所用で福岡県に行った時にタクシーの中から道路標識を見ていましたら、日本語では「○○橋西」と書いて、外国人向けの表示では「○○−Bridge(West)」と書いてありました。この「(West)」の工夫は涙ぐましいのですが、外国人に理解できるのだろうかと思ってしまいました。さらに、その隣の通りの道路標識の外国人向けの表示には「△△−Bashi」と書いてあり、統一が取れていませんでした。
道路標識は国土交通省が管轄していると思いますが、外国人向けの表示の基準が出来ているのか気になるところです。「春日橋」の地名を「Kasuga−Bridge」と表すのは、「黒木」を「Kuroki」ではなく「Black−Tree」と表記するのに似ていると思います。私は道路標示の起点である「日本橋」の地名がどのように表示されているか確認していませんが、「Nihon(あるいはNippon)−Bridge)」となっていないことを祈るのみです。[05.2.26]