「愛・地球博」に行きました      黒木 靖生



 愛知県で開催されている万国博覧会(「愛・地球博」)に行きました。感想を一言で表現する
と、「壮大なエネルギーのロス」と言ったところでしょうか。
 

 地球博の開会が間近に迫った頃、家内に「連れて行って」と言われ、私も大阪・万博には行っておらず、今回を逃したら日本で開かれる万国博覧会には100%出席できないと思ったこともあって、「いいよ」と安請け合いをしていました。そして、万博が始まってしばらくして、家内から「夏休みになったら混むから、夏休み前に連れてって」と言われ、ようやく重い腰を上げることとなった次第です。  

 612日(日)、品川駅発午前758分の「のぞみ号」に乗車、933分には名古屋駅に到着、速いものです。駅のコインロッカーに手荷物を預けようとしたのですが、どこも塞がっていたので、駅から歩いて5分程度の距離にある今晩宿泊予定のホテルに行って手荷物を預け、そのまま名古屋駅に引き返して1022分発の「エキスポシャトル」に乗車。約40分でシャトル終着の「万博八草駅」に到着、そこでリニアモータカー「リニモ」に乗り換えて二つ目の「万博会場駅」で下車、目的とする万博会場に到着しました。名古屋駅から会場まで約1時間というのは、ちょっと長いような気がしました。  

 リニモの万博会場駅に面した万博・北ゲートには入場者が並んで待っていましたが、1130分過ぎだったのでピークも過ぎており、日曜日で混雑を覚悟していた割には比較的スムーズに入場できました。最初に訪れなければならないのは、カナダのパビリオンです。と言うのは、家内がカルチャースクールで勉強している英会話の先生がカナダ人なので、敬意を表したわけです。  

カナダ館は、「グローバル・コモン」という名称を持つ外国パビリオンが集められた6個のゾーンの2番目(「グローバル・コモン2」)にあります。一応そこまで歩いて行って、12時になって食堂が混む前に、早めの昼食を取ることにしました。万博の食事は、貴重な機会を生かすために全て外国料理にしようと話し合っていたので、迷わず「グローバル・コモン2」にあった「メルハバ」と言うトルコのファーストフード店の行列に並び、トルコ風のパンに肉と野菜を炒めたものを挟んだサンドウィッチみたいなもの(1枚)と塩入りのヨーグルトを注文しました。代金は合計で1,000円でした。  

昼食を済ませて、カナダ館に入るための行列に並びました。待ち時間約20分。カナダ館のコンセプトは「カナダが多様性に富んだ国であることを訴える」との事前説明がありましたが、単なる映像の展示で何の意外性・発見もありませんでした。続いて、近くにあったアメリカ館に入る行列に並びました。待ち時間約30分。ここの展示は、アメリカの建国の父の一人であるフランクリンを主人公にして、「発見することの大事さ」を訴える内容でした。フランクリンが凧を揚げて雷が電気であることを証明する実験の映像では、落雷の時に観客の座っている椅子が激震したり天井から雨が降って来たりとかで、楽しい内容でした。  

 その後は、「グローバル・コモン2」で混んでいないパビリオンをざっと見て、次にドイツやフランス館のある「グローバル・コモン3」に向かいました。ここでは、最初に待ち行列の少なそうなイタリア館に並んだのですが、実は行列が建物の陰に隠れていて、入場まで結構待たされました。しかし、イタリア館の展示は「さすがデザインの国」と納得させるもので、私の見たパビリオンでは一番の出来だったと思います。続いてフランス館に長蛇の列に並んで入ったのですが、単なる映像展示で、シラク大統領訪日というデモンストレーションをした割には冴えない内容でした。  

 その後は、「グローバル・コモン3」で混んでいないパビリオンをいくつか見て、「リストランテ・ドルチェ・イタリア」で早めの夕食を取ったのですが、料金の割には今ひとつの内容でした。その後も、夕闇の中を幾つかの混んでいないパビリオンを見て、最後に20時から2030分まで開催された「鯉の池のナイトイベント(おサルさんの巨大な頭が池に浮かぶ照明ショー)」を見てホテルに帰りました。ホテルに着いた時、2230分を過ぎていました。  

 翌13日(月)、ホテルを出て名古屋駅のコインロッカーに手荷物を預け、822分発のエキスポシャトルで会場に向かいました。しかし、この日は、リニモに乗る駅で大渋滞。エキスポシャトルは20分間隔で入場者を運んで来るのですが、その人数に比べてリニモが運べる人数が少ないため大渋滞が起きるのは当たり前です。やっとリニモに乗って万博会場に着いたら、今度は入り口でまた大渋滞。愛・地球博はテロに備えて入場者の持ち物を飛行機の搭乗検査並みに検査しているため、時間がかかるのです。  

1030分くらいにやっと入場することができたのですが、先ず行ったところは「お土産売り場」です。家内がカルチャースクールの仲間へのお土産を買うためで、私はお土産を手に持ってパビリオンを廻るのはたいへんだと反対したのですが、家内は「お土産を買っておかないと安心して見物できない」とのことで、押し切られてしまったのです。お土産売り場も、レジは長蛇の列です。  

お土産の手当てが済んだので、すぐに「グローバル・コモン4」に直行し、イギリス館とアイルランド館を見た後、出店でフランスパンの上にチーズを乗せた軽食(1枚1,000)を食べて、「グローバル・コモン5」のアフリカ共同館に行きました。ここら辺りでそろそろ疲れが出てきたので、帰る前に折角万博に来たのだから万博でしか乗れない乗り物に乗ろうと、会場の南端にある「グローバル・コモン4」に引き返し、「キッコロ・ゴンドラ」に乗車して万博会場の空中散歩を楽しみ、反対側の北ゲート近くの駅で下車。その後、歩いて東南アジア諸国が出展している「グローバル・コモン6」の2〜3のパビリオンを見て、14時過ぎに万博会場を後にしました。そして、予定していたよりも約1時間早い新幹線に乗車して、18時過ぎに品川駅に到着することができました。  

このように、今回の万博見学においては、「混雑する企業パビリオンには行かない」との方針の下、外国パビリオンのみを見て廻った(日本館は前に立って記念写真を撮ったのみ)のですが、結果としては「費やしたエネルギーのわりには得るものはほとんど無かった」と言えると思います。

今回の万博のテーマが「地球環境」ですから展示が難しかったのも事実でしょう。このテーマに正面から取り組んでいたのは、私の訪問したパビリオンでは「国連館」と「フランス館」だけであったと思います。しかし、フランス館では、観客の期待は全く別の方角にあったので、私の周囲の観客は皆失望の言葉を発していました。

私が訪問できた上記以外の国のパビリオンの展示は総じて「物産の展示」で、「これはこれでしょうがないのではないか」というのが私の素直な感想です。  

また、万博での強烈な印象は「(海外出展店の)食事料金が高い」ということです。国内の料金の2〜3倍(あるいは質が1/2〜1/3くらい)と言うのが正直な感想です。食事の持ち込みの件で若干のトラブルがありましたが、外国からの出展者が「ボロ儲けのチャンスを守る」ために強く反対するのは至極当然と思えるような料金でした。  

私たち夫婦は、日曜日・月曜日と2日間、万博を見学したのですが、日曜日よりも月曜日の方が混んでいるような感じで、そのため2日目は「行列に並ぶという戦意を喪失していた」ようなところがありました。実際、何かを見ている時間よりも、並んだり会場を移動したりしている時間のほうが長く、何だか「壮大な無駄」のために名古屋に行った感じでした。05.6.26 


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