アデノウィルス       黒木 靖生

 

 1220日、会社で執務中、左目の目蓋の裏がゴロゴロするような不愉快な感じが続くので、鏡を見ると目ヤニが一杯出ていました。今までこういう経験は無かったのですが、目にゴミが入ったのだろうと思いながら仕事を済ませて帰宅したところ、就寝中にものすごい咳に襲われました。翌朝、いつもどおり530分に起床したのですが、喉がガラガラで声も満足に出ない状況だったので、「これは風邪をひいたな」と思い、大事をとって会社を休むことにしました。  

病気で会社を休むのは久しぶりです。7年前の歳の暮れも押し詰まった土曜日に行ったホストコンピュータの入れ替え作業が長引いて徹夜して帰宅した日曜日の朝、自宅の車庫の改修工事の立会いで寒風の中にしばらく立っていたのが原因(と思われる)で風邪をひいて、翌月曜日に会社を休んで以来です。私は、それまでは風邪をひいたときは布団を厚くかぶって寝て、汗をダラダラ流せば薬も飲まずに回復していましたので、7年前もその手で回復を試みたのですが上手く行かず、病院で薬をもらう羽目になりました。  

今回の風邪も、先ずその手で回復を試みたのですが、いくら布団を厚くしても汗をかきません。そもそも今回の私の風邪は、悪寒がすることも、熱が出ることも、頭が痛くなることも、鼻が出ることも、痰が出ることもありません。ただ出るのは咳だけです。布団の中で咳に悩まされながら、いったい咳は何故出るのだろうと考えました。風邪をひいたときに出る各種の症状は体の防御作用と言われていますが、咳はどのような防御作用なのでしょうか。体(喉)の中に溜まった風邪のウィルスを体の外に吐き出すのが目的なのでしょうか。しかし、咳で吐き出すくらいでは本人の体の中からウィルスは無くならないでしょうから、咳をすることはウィルスを周囲の人に蔓延させる効果はあっても、体の防御作用とは考えにくいところがあります。  

咳が出るメカニズムも、よく分かりませんでした。布団の中にいて安静を保っていても、突然咳が出てきます。何が引き金になって咳が出るのか、全く分かりません。咳をするのが苦しいので、咳の出る原因をつかんで咳が出なくなるようにできたらいいと思ったのですが、皆目見当が付きません。咳が出るときにお腹に力が入りますので、そのうちに腹筋が痛くなり、咳をするとき、喉と腹筋と両方の痛さに苦しめられるようになりました。  

昼間から布団の中にいて所在がありませんから、ラジオのお世話になりました。ウィークデイの昼間から長時間ラジオを聴くのは久し振りです。気が滅入っているので、元気のいいコマーシャルの流れる民放は避けて、いきおいNHKに波長を合わせることになります。沢山の番組を聞くともなく耳にしましたが、久世光彦さんの著書「マイ・ラスト・ソング(死ぬ間際に聴きたい一曲)」の朗読などは心に染み入りました。  

21日は一日中寝ていたのですが、風邪は回復しませんでした。しかし、喉のガラガラはだいぶ治まったのと22日に出勤すれば翌日は休みになるということもあって、22日から出勤しました。その後も咳は止まることはありませんでしたが、喉の調子は小康を得ていましたので、年末の最終出勤日まで勤めました。  

私の場合、風邪の症状が出る前に目ヤニが出て、21日に休んでいるときも目ヤニが出たので、何故かと思いインターネットで調べて見ました。その結果、私の風邪は「アデノウィルス」が原因と想像できます。アデノウィルスは「アデノ(扁桃腺・リンパ球)」の中に潜むウィルスで現在49種類発見されているそうですが、有名なのは「プール熱」の原因となるウィルスで、プールの水などを通して感染し、高熱が出て目が真っ赤に充血する症状を示すそうです。  

プール熱以外にも「一般的な風邪の症状」とか「結膜炎」を引き起こすウィルスもあるそうで、私の場合は熱が出ていないのでこれらの混合かなと思うのですが、病院でウィルスの種類を検査してもらったわけではないので確証はありません。インターネットで調べた限りではウィルスに効く薬は無く、時間をかけて体力の回復を待つしか治癒方法は無いようですので、私もそれに従うことにします。    (以上)


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