SUICAの楽しい変化 黒木 靖生
私は、JR東日本がSUICAのサービスを始めて間もない頃からの愛用者です。これは、私の通勤区間がJR東日本のみであるという事情が味方しているのかも知れません。そして、SUICAを使い始めてすぐに気が付いた不便は「SUICAでは残金が分からない」ということです。
私鉄や地下鉄で使える「パスネット」では、使用履歴が裏面に印字されますので、それを見ることで残金が分かります。また「バス共通カード」も、おおまかな使用金額で穴が開けられますので、精度は悪いながらも残金を知ることができます。ところがSUICAの場合、清算するときは清算額や残金が改札機に表示されますが、定期券の区間内で単に通過する場合は「THANK YOU」という小さな文字が表示されるだけです。
私は、SUICAを改札機にかざすとき、読取機はそのSUICAの持っているあらゆる情報を読み取れるはずだから、「THANK YOU」というどうでもいいような文言を表示させるのではなく、清算をしない場合でも残額を表示させるべきと強く思っていました。というのは、乗越しなどで清算するとき、残金の記憶が無い場合が多いので、「ピンポン」と鳴らすのではないかと、いつも気になっていたからです。
もちろんSIUCAも、チャージャー(入金機)に入れれば残金を確認することができますし、過去の使用履歴を画面で見たり印刷したりすることもできますが、いちいちそういうことで残金を確認するのは不便の極みというものです。
SUICAを改札機にかざすときに残金を表示させることは、JR東日本にとってもプラスになります。利用者が、残金が少ないことに気付いて入金した場合、JR東日本は利子を付ける必要の無い現金を預かることになりますから、銀行などの金融機関からの借入金を減らすことができます(JR東日本は利用客が多いので、チリも積もれば山となります)。また、改札の際、残金不足で「ピンポン」と鳴らす人も少なくなって、後に続く人が不快になる頻度も少なくなるでしょう。
私は、かって以上のようなことを友人に話して、JR東日本当局の改善を強く願っていましたが、なかなか実現してくれませんでした。ところが、恐らく1週間くらい前だったかと思いますが、会社の帰途、定期券の終点である稲毛駅の改札を出るとき、改札機の表示が変わっていることに気付きました。改札機にSUICAの鮮やかな画面が表示されると同時に、残金が大きな文字で表示されました。翌朝、通勤電車に乗るときに改札機にSUICAをかざしたら、同じく残金が大きく表示されました。私は思わず「ヤッタ」と心の中で叫びました。おそらく前日の昼間に稲毛駅の改札機を新型に交換したのでしょう。
ところが、朝の通勤の終点である大森駅の改札機は、今までと同じく古いままです。また、その後、東京駅の地下鉄丸の内線との連絡口の改札機もまだ古いままであることが確認できました。そういうことで、新型の改札機はまだ少数派らしく、なぜ稲毛駅に設置されたか理由はよく分かりませんが、私は、積年の望みをかなえてくれた稲毛駅の改札機を通るのが今楽しみになっています。