「あしかがフラワーパーク」への小旅行
    黒木 靖生


 ゴールデンウィークも終りに近い55日、家内と二人で「あしかがフラワーパーク」に行ってきました。利用したのはJR東日本の日帰りパックツアーで、計画と切符の手配は家内が行い、私はどちらかと言うと「付いて行くような感じ」だったのですが、これが意外と見応えのある小旅行になりました。  

 ツアーには上野駅824分発全車座席指定の臨時列車が用意されており、私たち夫婦の座席の周りを見渡すと、ほとんど全員が同じような年配の人たちです。列車は東北本線を北上し小山駅で両毛線に入り、この辺りから線路の近くに山並みが見えるようになりました。山々の木々とくに常緑樹は葉の色がはっきり違っており、各枝の先端に盛り上がるように若葉を付けています。私は、初夏のこのような景色が好きで、いつも夏の入道雲がムクムクと盛り上がっている、あるいは火山が噴火して火山灰をモリモリと噴出している光景を連想し、樹木のエネルギーやそれを育てる大地のエネルギーを感じ取ります。  

車窓から見る初夏の山々は 火山の如く若葉噴出す  

 列車は108分に足利駅の一つ手前の富田駅に到着しました。ツアーのパンフレットによれば、フラワーパークはここから歩いて10数分の距離とのことです。臨時列車の乗客のほとんどが富田駅で降りたため、小さな駅のホームは人並みであふれ返りました。乗客たちはグループごとに三々五々フラワーパーク目指して歩き始めました。しばらく歩くと前方に大きな建物が見えてきて、何だろうと訝しがりながら近づくと案内標識に「栗田美術館」と書いてあります。標識の説明を読むと「伊萬里」、「鍋島」に絞った陶磁器を展示している美術館とのことです。敷地は広大で建物も多く、鑑賞するのにタップリ1日はかかりそうなのであきらめて、フラワーパークに向けて歩き続けました。  

 駅から歩いて15分くらいでフラワーパークに到着しました。園内は結構混んでいましたが、家内がこのツアーを選んだ目的が藤の花を見ることでしたので、藤を中心に園内を見て回りました。案内書によれば園内には約300本の藤の木があるそうですが、圧巻は樹齢140年と言われている「迫間(サコマ)の藤(4本)」で、枝の広がりは900uと書かれており、枝の下に立つと藤の房が滝のように降ってくる感じで、あたり一面が紫のフィルターを通したように見えます。藤の花の下では何故か音も聞こえず、時が止まったような感じがしました。  

   
     紫の天に広がる藤花(フジバナ)は 滝のごとくに降り注ぎけり  

万物を紫に染む大藤の 天を蔽いし百条の房  

     百条の藤の流れが音もなく 時間を止めて我に注げり  

     天空を蔽いし藤花見上げれば 我水中に遊ぶがごとし  

紫の雨が我が身に降りそそぐ 迫間の藤の下を歩けば  

     大藤を支える幹の黒々と 大地をつかみ百年を経つ  


 なお、フラワーパークには、紫の藤だけでなく、白色や黄色の藤の花もあり、またツツジやその他多くの草花も満開で、来てみて本当によかったと思いました。
 

 フラワーパークを1140分頃に出て、富田駅121分発の普通列車に乗って足利駅に行き、ツアー指定の店で鰻重の昼食をとり、13時半くらいから、足利学校と足利氏の菩提寺である鑁阿寺(バンナジ)を見てまわりました。足利学校では、小さな子供が「今年小学校に入学したので勉強にがんばります」と声を出してお参りしているのをほほえましく思いました。  

足利の学び舎跡に集い来し 子らの学問成就を祈る  

足利の武士(モノノフ)すみし古刹にて 残りし銀杏に当時をしのぶ  

その後、足利学校近くの観光会館でみやげ物を買ったり、八木節の実演を見たりしてから、足利駅1526分発のツアー指定の臨時列車に乗って、上野駅に1729分に無事帰り着きました。

  ツアーの案内書によれば、今回の費用は、上野駅からの往復交通費・フラワーパークの入場料・昼食代込みで一人7,500円(千葉からの場合は800円増し)とのことで、天候にも恵まれ、十分に満足した旅行になりました。
                                                                                         (以上)

 
 
 
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