今年の健康維持作戦 辻 淳二
この特集テーマを貰って、「健康法」と言える方法を持っている訳ではないことに気が付いた。還暦を過ぎた身だから当然、健康を心掛ける「動物的な身構え」は持っているのだが。そこで、この機を活かして、取り敢えず今年に絞って、“暗黙知”つまり「動物的な身構え」を“形式知”
つまり「意識的に行う健康維持法」にすることを試みてみたい。
先ず、この話のベースとなる私の現在の健康状態を記しておこう。幸い、ここ5年くらい、心身ともに体調は良好で、従って、「健康」が私の中の関心事の上位に来ることはなく、ずっと6〜10位辺りを占めているという感じ。とはいっても、年に一回受ける定期健診で無キズということではない。一番新しい検査結果を見ても、善玉コレステロールが3年続いて基準値よりやや少なく、さらに昨秋には、GPT/GOT値が基準値を上回った(お酒が殆ど飲めないのに何故なんだ??)等、肝臓まわりに黄信号が出ている。要は、体感的に「身体が軽い」との手応えがあるので、それを頼りに「体調はいい」と大局的に捉え、一方で、良くないデータを警告と捉え、それなりの気遣いもしているというのが現状である。
さて、今年の健康維持に当たっての「基本原則」であるが、これは、すぐ、「上記の体感的にいい状態を崩さないようにする」ことと決まった。我が家人は、最寄り駅からの帰路に坂道を上がる時の足は私よりずっと速いのに、結構頻繁に「疲れた」とか「・・の具合が悪い」というようなことを口にしている。一方の私は、そういうことは殆どない。それも、やせ我慢しているからでなく、口に出す程の状態にめったにならないという理由から。この辺を拠り所に、どちらが気になるかといえば、家人の方をやや心配し、自分の方はごく楽観的に見ている。そこでスンナリ、上記の基本原則になった。
次に、具体的な「健康維持法」へと考察を進める。これも、上記の基本原則から素直に、「いい状態を崩さないための方法」ということになる。そこで「崩す」原因を考えると、大きく2つのタイプがあって、一つは「突発的に起こる」もの、もう一つは「ジワジワと、連続的に進んでくる」ものとがあり得る。とすれば、この2つの両方に「崩さない」ための方法を持つことが必要になる。
前者の「突発的に起こる」への対処法は極めて単純、つまり、「そういうことが起こる危険性を少なくする」こととなる。具体例を一つ挙げると、次のようなこととなる。この冬、次女がスノーボードをしに出掛ける時に、何回か「パパは、もうスキーとかをやらないの?」と問い掛けた。その都度ちょっと心は揺れたが、返事はいつも、「スキーは、機会によっては、身体がまだ覚えているだろうからやるかも知れないけど、スノボーはやめとくよ」だった。つまり、「長い間、病院に身を委ねるような事態を招く可能性に対しては慎重に」との身構えにしようとしている。もう一つ、「初めての土地で、建物や駐車場を探すのが心許ない所へは、便利さに余程の差がない限り車では行かない」ことも。これは、不慣れな場所での不測のトラブルのリスクを避けるためである。
後者の「ジワジワと、連続的に進んでくる」への対処法はどうか。自分の身体とはいえ、ジワジワと悪くなっているのを素早く検知するのは、簡単なようで結構難しい。一年ごとの検診で分かった時には手遅れということもあり得るから、もっと短いインターバルで検知できる簡単な方法が欲しい。そう考え始めて、フト次の着想に至った。私の場合は、「テニスをしている時の、(全体的な)身体の動きと(主にネット際での)反射神経の働き」で検知できるのでは?。これまで生きてきて、「この2つが冴えている時は、いつも体調がよかった(仕事で無理をしている時でも粘りが利いた)」との実感がある。また、近年体調がいいとの体感の一つに、「テニスをしている時の動きが軽い」ことが支えになっている。これらを合わせて、「今年は、これをセンサーにしてみよう」とヒラメイたのである。
このことに気が付いてから、ここ10年余り何ともメリハリなく(時々、身体を動かすためだけの意味で)続けていたテニスへの取り組みが変わり始めた。ここで、長年、年間でテニスをする日数が10日程度に低迷していたのが、昨年久しぶりに17日とほぼ倍増し、それに伴って安定を欠いていた技術面にも冴えが戻って来つつあることがフォローになった。私は今、多摩市のシニア層のテニスクラブの50人余りのメンバーの中で、腕としては中位の実力。このクラブでは、64歳の私が若造扱いされるほど平均年齢は高いが、高齢層の人たちの方が練習量は多いし、スクールに入ってコーチの指導を受けている人も少なくなく、ランキングを上げるのは楽ではない。少なくともここ5年くらいを通して、練習量の少ない私の場合、下がることはあっても上がるのは難しかった。それが今年は、まだ3ケ月しか経っていない段階ではあるが、毎月2回はコートに出掛けているし、技術的な向上でも一部の(それも、見方の確かな)メンバーの目を引く流れになっている。
かくして、今年の「健康維持作戦の焦点」が定まった。コアに、「テニスをしている時の“身体の動き/反射神経の働き”の、年間を通しての高レベルでのキープ」を据える。そしてこれを、「テニスの腕を上げる」こととリンクさせる。つまり、「健康維持」に加え、「年末になった時点で、我がクラブの中でどの程度ランクアップできているかを楽しむ」ことを両立させる。
最後に、この特集企画のおかげで“健康維持法の形式知化”ができ、その副産物として「今年、テニスで“久々の(狂い咲きの?!)復活あるかも”」とワクワク感を感じられるようになったことに感謝し、結びとしたい。[2003.3.29]
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