「経営と情報通信」研究会の思い出
     平井 洋三



 
私は、辻さんからお誘いを受け、2003115(15期第5)から参加させていただきました。本研究会の長い歴史の中では5年間と言う短い参加ではありましたが、情報提供者の皆様の魅力的なお話、活発な質疑、研究会後の一杯を十二分に楽しませていただきました。参加して、辻さん、スタッフの皆様の献身的な努力がこの会を支えていることも良くわかりました。

初めて参加させていただいた回は新田さんが情報提供者を勤められ、寺島実郎著「歴史を深く吸い込み、未来を想う」を取り上げられました。新田さんは尊敬する会社の大先輩でもあり、興味深くお話を聞かせていただきました。寺島さんの歴史を踏まえたじっくりとした著書を選択されたのがいかにも新田さんらしいと感じました。活発な質疑もあって楽しい時間を過ごさせていただき、すぐさま研究会への継続的な参加をお願いしました。

その後の中国・インドの急速な発展、最近のロシアの大発展、中東・南米・アフリカの資源国家の発展を見ると、グローバリゼーションと言う仕切りのない競争原理世界では、実力(人材、資源)を持たねば生き残れないことがはっきりとしてきています。日本がそのような世界で生き抜くには、鎖国をするか(不可能)、実力をつけるか(資源はないので人材のみ)しかなさそうです。新田さんのお話を思い出しながら、偽が大手を振って闊歩し、過去を引きずり、狭い範囲の短期的な利益のみを追いかけていたのでは現状を打破することは難しそうに感じています。

2004525日(第16期第7回)には、私が「ソフトウェア開発における品質保証」について話題提供させていただきました。その中で、「ISO9001CMMIは目的ではなく、品質向上が目的」と話させていただきました。

今年を表す漢字に上述の「偽」が選ばれ、2位が「食」、3位が「嘘」でした。民意の動向に振り回される政治、視聴率だけを意識するマスコミ報道を見ていると、本質になかなか迫れない日本人を強く感じてしまいます。200717日の日経に、ドイツから来て日本の医学振興に貢献されたエルヴィン・ベルツ博士が1901(明治34)の滞日25周年記念講演で「日本は西洋の科学の理念と本質を誤解している」「収穫をもたらす根元の精神を学ぼうとせず、実った果実のみを摘み取ろうとしている」と語ったと書かれていました。100年以上経った現在でもあまり変わっていないなあとも感じています。
                                  以上


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